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Mであること以外は普通の男です。読物、体験談、戯言の類を徒然なるままに…
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 (フィクションです…)

 長年通い続けたM専クラブの馴染みの女王様が引退されると聞いた。

 それまで数え切れないほどのプレイを重ねてきた。その引退の日に最後のプレイをしていただいた。もう会えないのだと思うと過去のプレイが思い出され涙が出そうだった。SMをやめようかとさえ思った。そんな気持ちを女王様に告げると、女王様がある話を切り出された。



 女王様の話…

 友人で、プライベートなSM関係を求めている女性がいる。以前にいたクラブでの女王様仲間だが、本当のS嗜好の持ち主で、クラブ時代の収入を元にして、今では大きなネイルサロンを経営している。仕事も軌道に乗り、それなりに付き合っている人もいて幸せそうだ。でも、それとは別に再びS嗜好を満足させたくなったが出会う機会もなく、なかなかいい相手にも恵まれない。

 長い間プレイをして来てお前の嗜好もよく分かっている。その女性とお前とならきっと合うに違いない。私はもうこの世界へ戻ってくることはないし、お前は女王様なしではいられないでしょう。

 不安を感じるかも知れないが一度会うだけ会ってみればいい。セッティングはしてあげるから話だけで別れても全然かまわない。彼女もそういうのに慣れているから。

 ま、彼女のほうが断ってくることもあるけどね…


 そして、私はその女性と会った。

 会って一時間ほど話をした。素敵な女性だった。女王様をされていたと聞いていたので派手で威圧的な女性を想像していた。全然違っていた。優しそうで穏やかな物腰、言葉も丁寧だった。本当にS嗜好の女性だとは信じられなかった。そして、お辞めになった女王様と私とのこともよく理解して下さっていた。私は、この方なら、と思った。

 それが真梨奈様だった。

 少しプレイしてみましょうかと誘って下さった。ホテルへ行った。プレイ中の真梨奈様は真のサディスト女性だった。先ほどまでの優しさは完全に消え去っていた。厳しく残酷で威厳があった。マゾヒストが何に泣き、悲鳴を上げ、許しを請い、そして、何に歓喜の涙を流すのか全てご存知だった。
 少しのはずが4時間のプレイになった。身体に多くの鞭痕が刻まれ、私は苦痛と喜びの涙を流し精根尽き果てていた。調教では殆ど許したことがないと仰っていた射精を最後に許された。心地よかった。そして、私は真梨奈様の虜になった。

 真梨奈様が仰った。

 お前の時間と自由を奪うのだから、それ相当の料金を払う。その代わり買われた時間は私に全て委ねなさい。

 真梨奈様の下で過ごせる時間が、真梨奈様の手によって残酷に扱われる時間が手に入るならそれでよかった。デザイン事務所から仕事を受けポスターや宣材を作成するフリーのデザイナーである私は時間が比較的自由だった。

 私が対価を払うべきではないかと思った。
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 そう言うと真梨奈様はこう仰った。

 お前を金で買うことで、私は幾らでも残酷になれる。
 お前をどんな目に遭わせようと私の自由にできる。
 お前を奴隷のように小間使いのように、そして、家畜のように扱える。
 一切の権利を奪い、私の喜びのためだけにお前を使うことが出来る。
 お前は金で買われた時間は全身全霊を込めて仕えなければならなくなる。
 買われた時間の中で命令違反があれば当然罰を受けることになる。
 私はお前への罰を自由に決めることが出来る。

  尤も、奴隷を罰するに理由は要らないけれど…

 私は承諾した。数日後に真梨奈様から一年分とされる金額が私の口座に振り込まれた。こうして私は真梨奈様に呼び出され、真梨奈様と過ごす時間を金で買われ、真の意味で真梨奈様に飼われる奴隷となった。


 真梨奈様…

 多分30歳を少し超えたくらいだろうか。身長は私と同じくらいで170cmほど。ただ、プレイや調教の中では高いピンヒールを履かれているため見上げることになる。均整の取れたスタイルと大きな目、形の整った唇、聡明な顔立ち。男性ならすれちがうと振り返らずにはいられない…

 そして、本物のサディスト…


 土曜の夜、真梨奈様が別荘のように使われているマンションの一室…

 真梨奈様はよく撓る黒く細い家畜鞭を手にソファに腰を下ろされている。部屋着のキャミソールワンピースを着て、長く美しい脚を組まれた真梨奈様の前で、私はひれ伏し小さく震えていた。目の前に黒いハイヒールの尖ったつま先が揺れている。

「覚悟できてるわね?」

 私は頷いた。

「声に出して答えるの!」
「も、申し訳ございません。覚悟できています。今から罰を受けま…ヒッ!」

 立ち上がられた真梨奈様の蹴りが脇腹に炸裂した。

「聞かれたら直ぐに声を出して答えることを何度も教えたね?」
「はい。ウッッ…」

 再び尖ったハイヒールの先が脇腹に食い込む。

「申し訳ございません。真梨奈様」
「言ったとおり出来なければ罰が重くなるだけなのよ」
「申し訳ございません」
「でも、私はその方がいいのよ。お前をより残酷に扱えるんだから」
「はい…」

 真梨奈様は鞭の先で私の頬を軽く打ちながら微笑んでおられる。

「震えてるわね。怖い?」
「はい」
「どうして?」
「罰が怖いです」
「お前、いつも粗相して罰を受けてるじゃないの」
「でも、今夜は…」
「そうねぇ、並みの粗相じゃないものね。今夜の罪は重いわよ」
「あぁ…お許し…ヒッ!」

 鞭が背中を打った。少し遅れて痛みが広がる。この細くてよく撓る家畜鞭は今まで殆ど使われたことがない。真梨奈様が御自分の残酷な欲望を満足させたいと思われたときやお怒りが激しいときにしか使用されない。力を込めて振り下ろせば簡単に皮膚が裂ける。

「お許しって? 自分のやったことが分かってないようね」
「申し訳ございません。もう二度と…あぅっ!」

 二発目の鞭が同じ場所に当たった。

「あら、切れちゃった」

 ナイフで切られたような鋭い痛みが走る。

「うぅ…」
「反省してもらうわよ」
「はい」
「それにしてもなんて格好なのかしら。お前」
「あぁ…恥かしい…です」
「死にたいくらいに恥かしいんでしょうねぇ…その格好」

 真梨奈様は冷たく私を見下ろされている。

(続きます)
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